骨が少なくてもインプラントが可能になる骨造成手術の費用と手順

2016-09-27
十分な顎骨の面積が必要不可欠であるインプラント治療。
歯周病などによる顎骨の減少が原因で、インプラントを諦めてしまったという方は、少なくないと思います。
今回は、顎骨の面積を増やす骨造成手術について、詳しくまとめてみました。是非参考にして頂ければと思います。

骨造成手術とは?

インプラント手術には骨の厚みが必要です
骨造成手術とは、何らかの原因で失われた顎骨を再生させる方法です。
通常、骨造成手術を受ける際には、口腔外科での処置が必要となりますが、今現在では、歯科医院でも専門的な知識、高い技術を持って骨造成手術を行っている所も存在します。
骨造成手術をし、その後インプラント治療を行うという一連の流れを、一箇所の歯科医院で行うことで、事前の治療計画が立てやすくなり、時間の短縮、情報の伝達ミス等のトラブル防止にも繋がります。

1.1 インプラント治療前に、骨造成手術が必要な理由

インプラント治療は、インプラント本体を歯が無い部分の顎骨に埋め込み、それを軸にして人工歯を被せ、噛む機能を再び取り戻す方法です。
インプラント本体を埋め込むには、最低10mmの厚みが必要とされており、歯周病などによって顎骨が減った状態では、他の組織を傷つける恐れがあるので大変危険とされています。

骨造成手術の種類

歯科治療における骨造成手術には、サイナスリフト、ソケットリフト、GBR法の3つがあり、顎骨が減少しやすく、インプラント治療が難しいとされる上顎の奥歯の処置には、サイナスリフト、ソケットリフトが適用される事がほとんどです。
これらの特徴や手順、必要な費用についてみていきましょう。

骨造成手術① サイナスリフト

顎骨が5mm以下ならサイナスリフト
サイナスリフトとは、上顎の奥歯の顎骨の高さが約5mm以下、または多数の歯が欠損している場合に適応される骨造成手術です。
上顎の奥歯付近は、上顎洞という鼻の側方から広がる大きな穴が存在し、インプラント治療や抜歯等が原因で上顎洞に通じる穴が開いてしまうと、副鼻腔炎(蓄膿症)の原因となります。
サイナスリフトでは、上顎洞と顎骨の厚みを出す為に、上顎洞への骨移植を行います。

2.1 サイナスリフトの手順

麻酔をした後、歯茎を切開します。顎骨に付着している上顎洞粘膜を慎重に剥がしてゆき、顎骨と上顎洞粘膜の間に出来た隙間へ移植骨を埋めます。
インプラント治療に必要な10mm以上の厚みを確保できた段階で、歯茎を縫合します。そして、レントゲン撮影を行い、十分な厚みがあるかを確認します。
移植骨が顎骨へとなるまでには約6ヶ月必要とされており、その間は特別な処置は行いません。

2.2 サイナスリフトの費用

骨造成手術は、保険適用でない場合がほとんどであり、歯科医院によって費用に差がうまれます。サイナスリフトの相場は、1箇所あたり約15万円~30万円です。

骨造成手術② ソケットリフト

顎骨が5mm以上ならソケットリフト
ソケットリフトとは、上顎の奥歯の顎骨の高さが約5mm以上ある場合にのみ適応される骨造成手術です。
歯が生えていた部分の側面の歯茎から行うサイナスリフトとは違い、ソケットリフトの場合は、歯の生えていた部分(抜歯直後の場合は、その穴から)行います。
そのため外科的負担が小さく、短時間で処置ができて、腫れや痛みがほとんどありません。
また、顎骨への移植とインプラント治療を平行して行えるというメリットも存在します。

3.1 ソケットリフトの手順

麻酔を行った後、顎骨に専用のドリルを使って穴を開けます。
上顎洞粘膜を傷つけないよう1mmの厚みを残した状態で止め、そこから器具で上顎洞粘膜へ繋がる道を作ります。
出来た穴から移植骨をいれ、インプラントを行う場合は、インプラント本体もこのタイミングで埋め込みます。
インプラント本体のみを入れた状態で3ヶ月以上待ち、顎骨とインプラント本体の接着を確認後、人工歯を被せ完成となります。

3.2 ソケットリフトの費用

ソケットリフトのみを行う場合の相場は、1箇所あたり約3万円~10万円です。インプラントを同時に行う場合は、インプラント代が別途必要となります。

骨造成手術③ GBR法

GBR法とは、顎骨が不足している部分に、自家骨または人工骨を盛り、メンブレンという特殊な膜で覆って、骨を再生させていく治療法です。
再生までに約4ヶ月~6ヶ月かかり、顎骨の減少が大きい場合は、インプラント治療を平行して行う事はできません。
GBR法の相場は、1歯につき約3万円~15万円です。

骨造成手術の注意点

術後は刺激を避けましょう
骨造成手術は外科処置である事から、個人で行うお手入れや、部位への刺激等には十分な注意が必要となります。

4.1 手術当日~3日間は、頻繁なうがいを避ける

出血によって出来る血餅(血のかたまり)は、外部からの刺激や細菌から傷口を保護する働きがあり、傷の直りを早くします。
血餅が形成されるためには、少しの時間血液がその部分に留まることが必要であり、頻繁なうがいはそれを妨害してしまいます。

4.2 手術当日~抜糸までの間は、歯ブラシの毛先は当てないようにする

処置した部位への歯磨きは、血餅が剥がれる原因となるため、良くないといわれています。
傷口が露出してしまうと、細菌感染が起こりやすくなりますので、抜糸を行うまでは、他の歯を丁寧に磨くことで、口腔内を清潔に保ちましょう。

4.3 指や舌で触れないようにする

歯ブラシ同様、指や舌で触れるのも、血餅が剥がれて細菌感染が起こる原因となるため、良くありません。
麻酔が切れると、ジンジンとした痛みが起こる場合がありますが、気になっても触れないよう気をつけましょう。


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矯正はじめました☆vol.4

2016-09-26

こんばんは。受付の金城です。

状態がよくなってきたので、次の段階に進むことになりました!

歯の上下にゴムをつけて、後ろへ歯をひっぱります。

今回は前回から特に変わりがないので、ゴムをつけた状態の写真を貼ります!

Lydia Hercurix Project

Lydia Hercurix Project

次回、どれだけ動いているか楽しみにしていてください♪


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治療完了しました☆

2016-09-26

こんにちは。スタッフの和田です。

去年の年末から少しづつ治療していて、本日治療完了しました☆

ビフォーの写真はないのですが、銀歯が3個あったのと、小さい虫歯や、着色が気になっていたので、全て治療しました!!

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上には銀歯が2箇所ありましたが、どちらもセラミックに変えました。

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下の奥歯にも銀歯が1箇所ありましたが、セラミックに変えました。小さい虫歯はプラスチックの樹脂を埋めて治療しました。

 

それと、1年ほど前にホワイトニングもしました(^^)歯が黄色いのがコンプレックスだったのですが、きれいに着色がとれました(^^)

私は元々ものすごく虫歯になりやすく、虫歯もたくさんありました。。。泣

しかし、いくつになっても自分の歯で美味しいものをたくさんたべたいなあーと思うようになり、

毎日フロスや歯間ブラシも使うようになりました!!歯間ブラシを使うようになったら、歯磨きの時出血していたのが、嘘のように止まりました(^^)

手間をかけるだけ、しっかり結果がでます☆

一度治療した歯も、ケアを怠ると、また虫歯になってしまいます。

今の状態をずっと維持できるように、歯磨きがんばります(^^♪

 

歯医者に行きたいけど、怖くていきづらい。。。そんな方は是非一度当院にいらしてください!(^^)!

経験豊富なDr.が、優しく丁寧に対応いたします!!

お気軽にお問い合わせ下さい♪


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左下3番インプラント埋入

2016-09-26

こんにちは。

スタッフの森です。

本日は左下3番にインプラント埋入するオペを行いました。

下の写真がインプラントを埋入する前のレントゲンです。

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埋入後のレントゲンが下の写真です。

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しっかりと埋入されたことが確認できます。

こちらの患者様は二回目のオペだったので

安心してオペを行えたそうです。

また、状態が良く後日行う予定の二次オペまで

行うことが出来ました。


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歯周病で下がった歯茎や骨を再生したい!最新の治療方法とは

2016-09-26
歯茎だけでなく、歯を支える骨にまで影響が及ぶ歯周病。歯がグラついてしまった方や、歯周病によって歯を失ったという方は、決して少なくありません。
今回は、歯周病によって失われた骨を再生させる、最新の歯科治療についてまとめました。歯周病にお困りの方や不安な方は、是非参考にして頂ければと思います。

歯周病によって歯茎や骨が下がる原因

歯周病によって歯茎や骨が下がる原因
歯周病は、歯茎の炎症や出血が起こる歯肉炎と、影響が歯茎だけに留まらず、骨にまで達する歯周炎に分けられます。
どちらも主な原因は、口腔内に存在する細菌であり、歯のお手入れ不足やタバコ、ストレスや遺伝など、要因は様々です。

<原因1>虫歯と歯周病の関連性

「虫歯になりやすい人は歯周病になりにくい」という噂を耳にしますが、恐らく、この言葉は、虫歯を発生させる菌と歯周病に関与する菌が別の種類であることから言われるようになったと考えられます。
しかし、歯周病の初期段階である歯茎の炎症の原因は、虫歯の原因と同じプラーク(歯垢)ですので、必ずしも虫歯になりやすい人が歯周病になりにくいというわけではありません。
お手入れ不足が改善されなければ虫歯と歯周病、その2つが同時に進行する危険性があります。

<原因2>強すぎる歯磨き

やさしく磨きましょう
皆さんは普段、どんな歯ブラシを使っていますか?
市販されている歯磨きには、やわらかめ、ふつう、かためという3つのタイプがありますが、このうち「かため」を使っている人は要注意です。
硬い歯ブラシは、効率的に歯の汚れを落とすことができますが、歯茎のような軟組織には刺激が強すぎることがあります。

また、やわらかめやふつうの歯ブラシを使っている場合でも、ブラッシングをする力が強すぎると、歯を傷つけるだけでなく、歯茎を下げてしまう原因にもなります。
歯茎が下がるのを予防するため、かための歯ブラシを避け、歯を磨く際も適度な力をかけるようにしましょう。

歯の汚れをしっかりと落とそうとする気持ちはとても良いことなのですが、力みすぎてしまうと軟らかい口腔粘膜に悪影響が及ぶことがあるのです。

<原因3>噛み合わせの悪さや歯ぎしりによって負荷がかかる

強い歯ぎしりは危険です
正常な噛み合わせであれば、ものを噛んだときに歯列全体に均等な力がかかるようになっています。
しかし、人の顎の力はとても強いので、噛み合わせが悪いと特定の歯に負担がかかります。不均等な力がかかってしまうと、いくら頑丈なエナメル質でも、いろいろな悪影響を及ぼします。

歯は歯茎によって支えられていますので、その圧力は結果的に歯茎にも及ぶことになります。そうして歯茎に炎症が生じて歯周病を招き、歯茎を下げることとなるのです。

その他、歯ぎしりや食いしばりといった習慣も、歯茎を下げる原因になります。これらも噛み合わせの悪さと同様、特定の歯や歯茎に強い力がかかることで、歯茎が下がっていきます。

<原因4>小帯の付き方がよくない

私たちの口腔内には、小帯と呼ばれる紐のような軟組織が存在しています。具体的には舌小帯や頬小帯と呼ばれるもので、これらは舌と歯茎、あるいは頬粘膜と歯茎をつなぐ役割を果たしています。
その小帯がしっかりと付きすぎていると、歯磨きがしにくいだけでなく、歯茎が引っ張られてしまうこともあります。その結果、歯茎が下がってしまう一因となるのです。

<原因5>加齢によって、どうしても下がりがちに

歯茎が下がる原因として、誰もが避けられないのが加齢です。
私たちの歯茎は年齢を重ねるごとに、下がっていく傾向にあります。もちろん、日々のオーラルケアを徹底することである程度は予防できますが、それでも歯茎が下がってくることはあります。

失った骨や歯茎が戻るかも!?それを可能にする最新の歯科治療

失った骨が戻るかも!?それを可能にする最新の歯科治療
重度の歯周病になると、細菌の出す酸によって顎骨が溶かされはじめ、同時に、顎骨の上に被さる歯茎も下がるため、見た目にも変化がうまれます。
歯周病に対する処置として、歯茎を切開し、根っこに付着した歯石や細菌感染のある骨を除去する方法がありますが、顎骨の量を元に戻すことは難しいとされていました。
では、最新の治療方法にはどのようなものがあるのかを詳しくみていきましょう。

1. エムドゲイン法

エムドゲイン法
エムドゲインゲルという骨を再生させる薬を、骨を失った部位に塗布し、本来備わっている骨の再生能力を促す方法です。
治療手順は、まず麻酔を行い、歯茎を切開します。根っこに付着する歯石や細菌感染の見られる部分を除去し、清潔な状態にした後、エムドゲインゲルを塗布します。その後、切開した部位を縫合して終了となります。

エムドゲイン法の治療期間

エムドゲイン法の処置は1回で終わります。
しかし、処置を行った日から約1日~3日後に消毒、10日~14日後には抜糸が必要になります。
抜糸までの間は、歯ブラシを部位に当ててはいけないため、歯科医院で汚れを取り、清潔な状況を保たなくてはなりません。
また、2ヶ月~3ヶ月後には、骨の再生を確認する為に検査を行い、その後も、再び骨が下がらないよう定期的なメンテナンスが必要となります。

エムドゲイン法の費用

エムドゲイン法は、保険適用ではありません。自由診療となるため、歯科医院によって費用に差がうまれます。相場は、約5万円~15万円です。

エムドゲイン法の注意点

全ての処置にいえることですが、効果には個人差があり、処置を受けたからといって、必ずしも骨が再生されるとは限りません。エムドゲイン法の注意点を以下にまとめました。

・骨が部分的に下がっている場合は、効果が期待できるが、全体的に下がっている骨には効果は発揮されない。

・歯石や細菌感染の部位を除去することで歯茎が引き締まるので、処置前よりも歯茎が下がる可能性がある。

・重度の糖尿病や骨粗鬆症による長期間の薬の服用がある場合は、処置が行えない。

・喫煙習慣のある場合は、効果が発揮されない可能性がある。

2. GBR法

GBR法
確保されたスペースに自家骨や人工骨を盛って再生を促す方法です。
治療手順は、麻酔をして歯茎を切開した後、粉砕した自家骨や人工骨を盛り、そこをメンブレンとよばれる特殊な膜で覆います。その後、歯茎を縫合して終了となります。

GBR法の治療期間

粉砕した自家骨や人工骨は、約半年で自分の骨に置き換わります。
消毒や抜糸までの期間は、エムドゲイン法と変わりはなく、骨再生の検査も必要となります。

GBR法の費用と注意点

GBR法もエムドゲイン法同様、保険適用ではありません。相場は、約10万円~15万円となります。GBR法の注意点を以下にまとめました。

・上顎の奥歯には、GBR法が対応できない場合がある。

・手術した部位の貧血が起こる危険性があるため、睡眠時に骨を盛り足した部位を下にしてはいけない。

・盛り足した部分は柔らかく、変形するとその形に固まってしまうので、舌や指、歯ブラシ等で触れてはいけない。

・重度の糖尿病や骨粗鬆症など、処置が受けられないケースも存在する。

・喫煙習慣がある場合は、成功率が格段に減る。

3. 遊離歯肉移植術(FGG)

遊離歯肉移植手術
遊離歯肉移植術(FGG)とは、歯肉が退縮してしまった部分に、別の部位から採取した歯肉を移植する歯周外科処置です。

歯肉は表面から順番に、上皮組織・結合組織・骨膜の3つの層でできています。この遊離歯肉移植術(FGG)は上皮組織と結合組織の2層をまとめて移植するのが特徴です。

術後、歯肉はしっかりと安定しますので、歯肉減退による歯磨きの際の痛みが無くなり、見た目のガタガタも目立たなくなります。

遊離歯肉移植術(FGG)の治療期間

遊離歯肉移植術は、施術後1週間程度で抜糸を行います。移植した遊離歯肉が安定するのは、施術後数ヵ月が経過してからです。

遊離歯肉移植術(FGG)の注意点

上顎の内側の歯肉と、外から見える歯肉では、その色に違いがあることがほとんどです。
歯肉の上皮ごと移植する遊離歯肉移植術では、移植後の色調が周囲と調和せず、よく見ると違いがわかってしまうことがあります。
審美性の改善を目的とするケースでは適用が難しいことがありますので、注意が必要です。

4. 結合組織移植術(CTG)

結合組織移植手術
結合組織移植術とは、先に紹介した遊離歯肉移植術(FCG)と同様に、歯肉が退縮してしまっている箇所に、口蓋から歯肉を採取して移植する方法です。

遊離歯肉移植術(FCG)との違いは、上皮組織を残すことです。上皮の下にある結合組織という部分だけを移植するため、上皮ごと移植するのに比べて歯茎の色の違いが目立たなくなるのが特徴です。その分、より高度な技術が必要になります。

結合組織移植術(CTG)の治癒にかかる期間

抜糸は1~2週間ほどで行いますが、傷がしっかり治るまでには2~3ヵ月を要します。

5. 小帯形成術

小帯形成術とは、大きすぎたり強すぎたりする小帯に対して行う手術です。小帯形成術によって小帯の状態が正常となることで、プラークコントロールがしやすい口腔環境を整えます。
小帯形成術は、施術後1週間程度で抜糸を行い、数週間から数ヵ月後には粘膜の状態も落ち着きます。

最新の骨再生治療で、インプラント治療を可能にする

最新の骨再生治療で、インプラント治療を可能にする
歯周病などで骨を失うと、インプラント治療が受けられない可能性が高くなってしまいます。インプラント治療には十分な顎骨の厚みが必要であるため、重度の歯周病によって骨が少なくなっている場合だと難しく、処置後のトラブルが起こる確率も大幅に増えてしまいます。
事前に骨再生治療をすることで、安心してインプラント治療を行えるようになり、トラブルを回避できるためインプラント本体の寿命も延びます。
歯周病によりインプラント治療を諦めているという方は、是非一度歯科医院にご相談下さい。


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神経のない歯でもホワイトニング可能なウォーキングブリーチとは

2016-09-25
あなたは、神経のない歯(無髄歯)の色に困ったことはありますか?
一般的なホワイトニングでは、効果が発揮されないといわれている神経のない歯ですが、そんな歯でも白くできるのがウォーキングブリーチという方法です。
今回は、ウォーキングブリーチの効果と注意点について詳しくまとめてみました。是非、参考にして頂ければと思います。

無髄歯で歯の変色が起こる理由

神経の無い歯が変色してしまう理由
歯というものは、内側から神経、象牙質、エナメル質の順で構成されています。
歯の表面に存在するエナメル質は、結晶のようにほぼ半透明です。歯の色には、その内側にある象牙質の色が映し出されます。
歯の神経が無くなると変色が起こる理由は、エナメル質と象牙質の間に存在する象牙細管に物質が入り込みやすくなるからといわれています。
また、神経を失うことで、歯自体の代謝効果が無くなることも理由としてあげられます。

ウォーキングブリーチとは?

ウォーキングブリーチとは、無髄歯である対象の歯の内部に、歯を白くする専用の薬剤を入れ、変色した歯を白くする方法です。
過酸化水素水と過ホウ酸ナトリウムを混ぜた薬剤が主流であり、薬剤を入れる処置を行った後、歯の色の変化を見る為に数週間待ちます。
色が白くなったのを確認した後、歯の内部の薬剤を除去し、最終的な蓋をして終了となります。

ウォーキングブリーチの流れ

ウォーキングブリーチを検討するにあたって、全体的な流れを把握しておきましょう。

1.1 歯の内部に問題がある場合は、根管治療が必要

ウォーキングブリーチを始める前に、対象の歯に虫歯や、内部の細菌感染が起こっていないかを調べ、必要であれば処置を行わなければなりません。
神経の無い歯の場合であれば、既に根管治療をしているケースがほとんどですが、歯の根っこの先に膿が溜まる根尖病変が存在すると、ウォーキングブリーチを行っても、その後、根尖病変が原因で抜歯せざるを得ない状況になりかねません。

1.2 歯の内部に専用の薬剤を入れる

ウォーキングブリーチ図解
歯の内部が綺麗な状態であることが確認できたら、ウォーキングブリーチ専用の薬剤を、歯の内部へ入れます。多くの場合、対象の歯の裏側に穴を開け、薬剤を流し込み、それを1週間毎に1回、それを約2~3週程度繰り返します。

1.3 裏側に詰め物を行う

歯の色が理想の白さになった段階で、裏側の穴を埋めて終了となります。
使う材料は、コンポジットレジンといわれるプラスチック製の材料で行う事が多く、小さな虫歯治療でも使われるものです。

ウォーキングブリーチに必要な費用

ウォーキングブリーチは、保険適用ではないため、歯科医院によって費用に差がうまれます。
薬剤を1回交換するごとに約3千円~7千円という所もあれば、固定料金で約1万5千円~2万円と設定している所もあります。事前に確認を行いましょう。

知っておきたい!ウォーキングブリーチの注意点

ウォーキングブリーチの注意点
神経が無くてもホワイトニングが可能という、大変魅力的なウォーキングブリーチですが、気をつけなければならないこともいくつか存在します。

2.1 対象が1本である

通常、ホワイトニングは、全体の歯の色を同時に白くする効果がありますが、ウォーキングブリーチの場合、薬剤を直接歯に流し込む方法である事から、対象の歯のみに効果が発揮されます。その為、対象の歯が多ければ、それだけ費用が必要となります。

2.2 白さが一生持続することはない

ホワイトニングと同じように、ウォーキングブリーチの場合でも、白さが一生持続するわけではありません。
歯の変色は、象牙細管への色素沈着が主な原因となりますので、喫煙習慣があったり、着色料の多い食事を頻繁に行ったりすると、歯は再び変色してきます。

2.3 薬剤による発生ガスが原因で、痛みを感じる可能性がある

ウォーキングブリーチは、薬剤を流し込んだ後、必ず仮の詰め物を行います。
定期的な薬剤の交換が必要な理由は、長期間密閉された状態が続くと、薬剤から発生するガスが原因で、根っこや歯を支える骨に悪影響を及ぼし、痛みを伴うからといわれています。
歯科医院によっては1週間ではなく2週間ごとに薬剤を交換する所もありますので、事前に相談するようにしましょう。

2.4 ウォーキングブリーチを行っている歯科医院が少ない

ウォーキングブリーチを行っている歯科医院はあまり多くはありません。
しかし、実際にウォーキングブリーチの症例が多い歯科医院では、痛みを回避する方法もしっかりと把握し、それを実践しています。
歯の裏側に穴を開けることに抵抗が無い方にとっては、大変有効な方法だといえます。

もしもウォーキングブリーチ中に痛みが出たら?

ウォーキングブリーチ中は、まれに痛みを伴うことがあります。そんなときに備えて、痛みの原因を知っておきましょう。落ち着いて、適切な対処を心がけて下さい。

3.1 なぜ痛みが出るのか

使用する薬剤から発生するガスにより、根っこや歯を支える顎骨に圧がかかると、痛みを生じることがあります。
そのため、定期的に中に流し込んだ薬液を交換する方法をとる歯科医院が多いです。

3.2 痛みの原因、自己判断は危険!

もしウォーキングブリーチの後に痛くなったとしても、必ずしも原因がウォーキングブリーチだとは限りません。
歯の内部もしくは顎骨に何らかのトラブルが発生した際にも痛みは発生します。特に考えられるのは、神経を失った歯に起こりやすい根尖病変です。
重度の場合、抜歯を行わなければならなくなるため、痛みが生じたら自己判断はせずに早めに歯科医院で調べてもらいましょう。

3.3 続行か中断かは、歯科医院に相談しよう

痛みの感覚や度合いによって、今後の継続を判断します。
せっかく始めたからもったいないといって、無理に続行しつづけるのは、対象の歯だけでなく、その他の組織や顎骨にも良い影響は与えません。必ず歯科医院に相談し、正しい方法を選択しましょう。

ウォーキングブリーチができないケースとは

神経を失った歯のホワイトニングに最適であるウォーキングブリーチですが、実はできないケースも存在します。

4.1 歯が脆くなっている状態

神経を失った歯は、神経のある歯に比べて、割れたりかけたりするリスクが高くなります。既に脆い状態であったり、ウォーキングブリーチの薬剤による圧に耐えられなさそうな歯である場合は、ウォーキングブリーチをおこなうことはできません。

4.2 対象の歯を残存歯の色に正確に合わせたい

ウォーキングブリーチによって得られる効果には個人差があり、どのような白さになるかは歯の状態や質、継続期間等によって左右されます。
対象の歯以外の残存歯(周りの歯)の色と全く同じにすることは難しく、色を細かく調節したい場合は、ウォーキングブリーチ以外の方法を考える必要があります。

神経の無い歯を白くする、ウォーキングブリーチ以外の方法は?

「とにかく早く歯を白くしたい」「他の歯と色を合わせたい」「ウォーキングブリーチはちょっと不安…。」という方にオススメのやり方を以下にまとめました。メリット、デメリットをしっかりと把握し、自分に適した方法を見つけましょう。

5.1 歯のマニキュア

歯のマニキュアは、白い材料をマニキュアのように歯の表面に塗布する方法です。歯科医院で受ける事ができ、今では市販で売られている商品も存在します。

5.1.1 歯のマニキュアのメリット

歯のマニキュアの一番のメリットは、好きなタイミングで歯を白くできることです。市販のマニキュアよりも歯科医院で受けるほうが、キレイに長持ちさせることができます。また、有害成分は一切含まれていないため、ホワイトニングを受けられない妊婦の方でもおこなえる方法です。(市販のものを使用する場合は、医師に成分をご確認ください)

5.1.2 歯のマニキュアのデメリット

歯の表面に塗布する歯のマニキュアは、仕上がりに差が生じやすく、ムラができることがあります。特に市販のマニキュアを使って自分でおこなう場合は、歯科医院でおこなう塗布前の歯面クリーニングは無いため、ムラができやすいとされています。
その他にも、マニキュアの落とし忘れによる汚れの付着や着色、歯茎や唇など歯面以外の部分に付着すると落とすのが困難である、天然歯との色の差が大きい……などがデメリットとしてあげられます。

5.1.3 歯科医院でおこなう歯のマニキュアの手順

歯科医院でおこなう歯のマニキュアは、別名「ホワイトコート」といいます。
①カウンセリングをおこない、塗布する色を決定します。
②歯面クリーニングをし、ムラの原因となる汚れをキレイに落とします。
③笑ったときに見える範囲(前歯8本程度)に下地となるベースコート、ホワイトコートの順で丁寧に液を塗布し、専用の光を当てて固めます。
④ツヤ出し効果のあるトップコートを塗布し、固めて完成となります。

5.1.4 歯のマニキュアの費用と時間

歯のマニキュアは、市販の場合は1,500円~3,000円、歯科医院で受ける場合は約1万円~5万円ほどかかります。歯科医院でおこなう方法は、歯の本数に制限がある場合が多く、基本的には前歯8本程度となります。施術時間は約1時間です。

5.2 セラミッククラウン

セラミッククラウンは、歯科医院でおこなう白い被せ物です。人目につきやすい部位への被せ物として、あるいはちょっとした部分矯正に人気です。

5.2.1 セラミッククラウンのメリット

セラミッククラウンは、色を細かく調節でき、天然歯のような仕上がりになります。表面に傷がつきにくく、汚れの付着や着色のトラブルが少ないのが特徴です。

5.2.2 セラミッククラウンのデメリット

セラミッククラウンは被せ物なので、対象の歯を削る必要があります。また、完成までに時間がかかります。(通院回数は約2回です)

5.2.3 セラミッククラウンの治療の流れ

①歯を削り、セラミッククラウンを被せるための土台を作製します。
②歯型を取り、作成するセラミックの色を決定します。
③完成したセラミッククラウンを口腔内で合わせ、噛合せを調節します。問題がなければ専用のセメントで合着し、完成となります。

5.2.4 セラミッククラウンの費用

セラミッククラウンは、保険適用ではありません。相場は、1本につき約8万円~15万円となり、歯科医院によって異なります。事前に確認をとりましょう。

ウォーキングブリーチで美しい笑顔を

神経が無い歯の変色も諦めずに相談してみよう
神経が無い歯が黒ずんでしまって、ホワイトニングを諦めていた方でも行えるウォーキングブリーチは、歯科のホワイトニング治療の大きな革命ともいえます。
注意点に気をつけ、必要であれば事前にしっかり確認を取るようにして下さい。
きっと、今まで以上に自身に満ちた笑顔で毎日を送れることでしょう。


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【インプラントオペ2件及びソケットリフトオペ2件行われました】

2016-09-24

こんばんは。 スタッフの中條です!

本日は午前中にインプラント2本埋入、ソケットリフト+インプラント2本埋入

午後にインプラント1本埋入、ソケットリフト+インプラント1本埋入オペが行われました。

●左上2番、3番インプラント埋入

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●右上2番、左上2番ソケットリフト+インプラント埋入

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●左下7番インプラント埋入

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●右上7番ソケットリフト+インプラント埋入

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先生方お疲れ様でした(^-^;

このように当院では毎日のようにオペが行われています。

もともとインプラントとは外科手術を伴う難しい治療です。

担当医には高度な技術と経験が求められ、歯医者なら誰でもできるというものではありません。

インプラント治療を受けるなら、確かな知識と実績を持った信頼できる歯科医を見つけることが非常に

重要だと言えます。

★ここでちょっとしたお話を・・・★

インプラントの歴史は大変古く、紀元前には既に行われていたと考えられています。 抜けた歯の穴に貝殻やエメラルド、金、サファイヤなど、古代の人々はさまざまな材質を使って失われた歯を取り戻そうとしてきたことがわかっています。 しかし過去の試みは全て成功しませんでした。 なぜなら埋め込んだ材料とアゴの骨がうまく結合しなかったためです。

転機が訪れたのは1950年代のこと。 スウェーデンの科学者、ブローネマルク博士がインプラントの素材としてチタンを採用すると、かつてないほどアゴの骨にしっかり結合したのです。 古代から世界中の人々が憧れた夢の歯科技術が、ついに実現することになったそうです(*^^*)

 

 


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知っておきたい最新インプラント治療の特徴と大まかな流れ

2016-09-24

今では主流となりつつあるインプラント治療。
インプラント専門ではなく、一般の歯科医院でも受けられるため、ご検討中の方も多いのではないでしょうか。
本日は、インプラント治療の大まかな流れと共に、最新の技術や設備をご紹介致します。質の高いインプラント治療を受けたいとお考えの方は、是非参考にして頂ければと思います。

インプラントの流れと最新技術の特徴

知っておきたいインプラントの流れ
通常の歯科治療とは違い、外科処置であるインプラント治療では、より1つ1つの過程を精密かつ慎重に行う必要があります。スムーズな治療、そして治療後のトラブル防止を考え、今では様々なやり方が存在しています。
インプラント治療を成功へと導く最新技術・設備の特徴や効果も合わせて、インプラントの流れをみていきましょう。

1. 検査・診断

インプラント治療を行う上で最も重要な点は、患者様自身の体調や持病、そして顎骨の状態です。
精密に検査をして調べることで、失敗やトラブルのリスクを最小限にし、患者さんに合った治療法で、安心して処置を行えるようにします。

最新技術・設備① 歯科用CT

3次元CTスキャン
事前に行うレントゲン撮影では、全体の骨の状態や下歯槽管の位置を調べることができます。
下歯槽管とは、大きな神経が通る管で、下顎のみに存在します。奥歯の根っこの先が下歯槽管に触れていることも珍しくはなく、抜歯やインプラント治療で傷つけた場合、顔面の麻痺が起こる危険性があります。
最新技術である歯科用CTでは、立体的に歯や骨の状態を見ることができるので、平面上のレントゲン写真では確認できない顎骨の厚みや、下歯槽管までの距離を正確に把握することが可能です。

最新技術・設備② ノーベルガイドシステム

歯科用CTで撮影した画像をもとに、コンピュータを使って手術のシミュレーションを行います。ノーベルガイドシステムを使用することで、無駄のないスムーズなインプラント治療が実現されると同時に、成功率の向上が期待できます。

2. インプラント手術

手術台と設備
精密な検査を行い、正式な診断結果が出た後、日程を決めてインプラント治療を行います。
まず麻酔を行い、確実に麻酔が効いたのを確認できたら、歯茎を切開します。そして、専用の機械を使いながらインプラント本体を顎骨に埋め込みます。
手術当日は、焦りのない丁寧な処置が行えるよう十分な時間を確保し、歯科医院によっては、専用のオペ治療室で行うなど、安全に尽くした環境で患者様をお待ちしております。

最新技術・設備③ セラビームアフィニー

セラビームアフィニー
顎骨に埋め込むインプラント本体は、工場で製造された後、歯科医院に届きます。
国産インプラントで届くまでに約4週間ほど、海外製インプラントはそれ以上かかりますが、その間にインプラント本体のチタンの老化現象(チタンエイジング)が起こり、顎骨との接着率が製造直後に比べ大幅に低下するといわれています。
光機能技術を使って既にチタンエイジングが起こっているインプラント本体を、製造直後の状態(接着率98%以上)まで戻すことの出来る機械が、セラビームアフィニーです。

最新技術・設備④ マイクロスコープ

マイクロスコープを使った施術
歯科用大型顕微鏡であるマイクロスコープは、目視では不可能な細かな部分を確認でき、インプラント治療以外にも、根管治療で使用される事が多い機械です。
治療の成功率の向上は勿論、処置後のトラブル防止に役立ちます。

最新技術・設備⑤ 無影灯

内科や外科というイメージの強い無影灯ですが、最近では歯科医院でも、歯周形成外科手術やインプラント治療の際に使用する所も存在します。
影となる部分がなくなるため、見やすくなり、繊細な治療が行えます。

最新技術・設備⑥ 生体情報モニター

心拍数や血圧などを把握できる生体情報モニターを使用することで、手術中の患者様の様態の変化をいち早く知る事が出来ます。

最新技術・設備⑦ 静脈内鎮静麻酔

手術麻酔
緊張しやすい方の場合、治療への不安を感じて、激しい動悸や息切れ等のパニック発作が起こることがあります。
その対処法として、歯科医院によっては、精神の安定を促す笑気麻酔や静脈内鎮静麻酔を行うこともあります。

3. 定着期間

インプラント治療では、インプラント本体を顎骨に埋め込む手術をした後、それらが接着するまで様子を見るための定着期間というものが存在します。
定着期間は、通常約3~6ヶ月とされており、その間は特別な処置を行う必要はありません。
最新技術であるセラビームアフィニーを使用した場合であれば、骨細胞の活性化が期待できる為、インプラントの周りに骨が早く出来上がり、定着期間の短縮に繋がるといわれています。

4. 人工歯の取り付け

インプラント本体と顎骨の接着が確認できたら、いよいよ人工歯の取り付けとなります。噛んでも痛みや違和感がないよう、噛み合わせを丁寧に調節して終了となります。

5. インプラント治療のメンテナンス

歯科医に相談しているイラスト
インプラント治療のトラブルは、自己判断で様子を見て良いものではありません。
定期的にレントゲン撮影を行い、顎骨やインプラント本体に異常がないかをチェックすることが大切です。
インプラント周囲炎にならないための、正しいお手入れ方法も身につける必要があります。

インプラント治療の禁忌症にご注意を!

様々な最新技術が存在するインプラント治療ですが、どうしても処置が行えないケースもあります。
「特定の病気や疾患を抱えている患者には、この治療法を行ってはいけない」という意味の禁忌症がインプラント治療にも存在し、心臓疾患や高血圧、糖尿病、骨粗鬆症などがあげられます。
その他の病気でも、重度であればインプラント治療が難しく、承認や許可書が必要となる場合もあります。
病気や服用中の薬の有無は、事前に正確に伝えましょう。


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精密根管治療の特徴まとめ~費用・器具・薬剤など5つの違い~

2016-09-23

歯の神経を取るための根管治療。
使用する器具や機材、薬剤など、行われる治療のレベルで、歯の寿命や治療後に起こり得るトラブルの発生率にも違いがあります。
今回は、精密根管治療と通常の根管治療の違いについて詳しくまとめてみました。是非参考にして頂ければと思います。

精密根管治療と通常の根管治療の違い

精密根幹治療って何が違うの?

「神経を取る」という目的は、どちらも同じであることから、保険適用である通常の根管治療で充分なのでは?と疑問に感じる方も多いかもしれません。
しかし実際は、精密根管治療を受けた方が、最終的には患者様にとって良い結果をもたらすのです。その理由として、精密根管治療と通常の根管治療の違いを以下にまとめました。

1. 費用

保険適用である通常の根管治療に比べ、精密根管治療を行う場合、治療費は自費負担となることがほとんどです。使用する器具や機材、薬剤が異なるためです。

精密根管治療の費用

精密根管治療は、自費負担である場合が多いことから、歯科医院によって費用に違いがあります。治療対象である歯の根っこの数で左右され、相場は、約7万円~15万円で、1本20万円以上する歯科医院もあります。
また、初回ではなく、過去に根管治療を受けた歯が対象である場合は、さらに費用が高くなる場合もあります。

通常の根管治療の費用

保険適用である通常の根管治療の費用は、1本当たり数千円です。保険の負担割合によって違いが生まれます。

2. 治療時間と通院回数

通常の根管治療では、1回につき約30分程度の治療を平均4~5回通院して行い、難しい場合だとそれ以上来院が必要になる場合があります。
精密根管治療の場合では、細かく治療を進めるため、1回の治療は約60分~90分と長く、通院回数は1~3回と比較的少なくなります。

3. 検査・診断

治療を行う前の検査で、歯の根っこの構造を把握し、スムーズで適切な治療ができるよう計画を立てます。
精密な根管治療の場合は3次元CTスキャン、通常の根管治療の場合であれば、2次元レントゲンを使用し撮影します。

3次元CTスキャン

3次元CTスキャン
精密根管治療の検査で使用する3次元CTスキャンは、歯の内部を立体的に撮影でき、根っこの長さ、太さ、奥行き等を正確に把握することが可能です。
また、根尖病変とよばれる歯根の先の膿が溜まった際に、平面のみのレントゲン写真ではぼんやりと黒く映る程度ですが、3次元CTスキャンでは立体的に発見でき、精密な診断・治療が行えます。

2次元レントゲン

多くの歯科医院で使用される平面状のレントゲン写真です。神経や金属類の有無、全体的の状況を大まかに把握することが可能です。
しかし歯の根っこの構造を正確に映し出すことは難しく、術者である歯科医師の経験や技術によって治療の成功度が左右されやすいです。

4. 器具・機材

治療に使用する器具や機材は、治療の成功度を左右する重要なポイントとなります。
精密根管治療では、高性能マイクロスコープやニッケルチタンファイルを使用しますが、通常の根管治療の場合では、目視、または拡大ルーペを用いて、一般的なファイルでの治療がほとんどです。

高性能マイクロスコープ

マイクロスコープを使った治療
歯科用大型顕微鏡であるマイクロスコープを使うと、歯の内部だけでなく、目視では見えないような根っこの奥深くまで、鮮明に見ることができます。
治療前の検査で得た情報を元に、歯の内部を探り、細かなヒビや破折の有無をチェックし、根尖病変の原因である神経の取り残しがないよう慎重に治療を進めて、トラブルの起こるリスクを最小限に抑えます。

ニッケルチタンファイル(NiTiファイル)

ファイルとは、神経を除去する為に歯の根の中に入れて使用する道具です。
通常の根管治療で使用するステンレスファイルとは違い、精密根管治療で使用できるニッケルチタンファイルは、柔軟性があるため、入り組んだ内部であっても、ファイルの先端を隅々まで行き届かせることができます。
神経や細菌感染のある部分の取り残しを防ぎます。

5. 薬剤・セメント

歯の根を取り除いたあとの洗浄や、細菌の消毒のためには薬剤を使用します。
自費診療の場合、効率的に根管内の清掃ができるような薬剤や材料を、症例によって使い分けることが可能です。

精密根管治療と通常の根管治療の決定的な違いは、”制限”の有無

保険適用の治療には、保険診療のルールが存在します。
特に歯科の場合ですと、内科や外科などに比べて保険点数が大幅に低いことから、最低限の治療しかできず、使用する器具や機材等が制限されます。
制限無く治療を行うことは、治療の成功度を高めるだけでなく、再発を防ぎ、歯の寿命を延ばせるということです。
後のトラブルを防ぐ上で、必要に応じて自費診療を選ぶことの大切さが、お分かり頂けるかと思います。


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親知らず

2016-09-23

こんにちは!スタッフの和賀井です。
みなさんは「親知らず」生えていますか?
親知らずとは、正式名称では「第三臼歯(智歯)」と呼び
18歳前後から生えてくる、一番奥に生えてくる8番目の歯です。

この親知らず、決して必ず抜かなければならないということではありません。
きれいにまっすぐ生えていれば、他の歯と同じように長く使える歯です。

親知らずの生え方とはしては、大きく分けて3パターンあります。
1つ目は、まっすぐに生えている。
2つ目は、半埋伏。親知らずの頭の一部が露出していて、斜めに生えている。
そのため、前の歯にぶつかったり押してしまう可能性があります。
3つ目は、完全埋伏。骨の中で真横に生えている状態です。

1つ目のようにきれいにまっすぐ生えている人はなかなか少ないようです。

実は私もレントゲン写真を撮影したところ
親知らずが生えていることを知りました!
しかも親知らず上下4本生えていました!

下は横に生えていて完全埋伏しています。

↓私のレントゲン写真です。

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一般的に抜いたほうがいいと言われているのは、2つ目の半埋伏と3つ目の完全埋伏です。
これらの親知らずを放っておくと、歯のトラブルの原因になります。

考えられるトラブルとして
1.歯肉が腫れる
半埋伏で生えてるパターンに多いです。
手前の7番目の歯との境目に汚れがたまりやすいので
菌が繁殖しやすく、炎症を起こしてしまいます。

2.虫歯になる
磨き残しが続くと、親知らず自体が虫歯になります。
この場合、生え方によっては抜歯する場合がらあります。
また親知らずではなく、手前の7番目の歯が虫歯になってしまうことも少なくありません。

3.歯並びが悪くなる
親知らずが横向きに生えていると、手前の小さな歯を押してしまい
歯並びが悪くなる場合があります。
その場合は抜歯か必要となります。
動いたあとに、親知らずを抜歯しても
元には戻らないと言われていますので
他の歯に影響が出るようなら、抜歯を検討されたほうが良いでしょう。

まずは、親知らずが生えているかどうか知らない方も多いのではないのでしょうか?(現に私もそうでした)
私も先生と相談して、抜歯を検討しています。

親知らずが生えていて
抜くべきか不安な方
親知らずがあるのかどうか分からない方
ぜひ一度当院にご相談ください☆


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