ブリッジには保険と自費がある!素材の選択肢や費用など4つの違い

歯科お役立ちコラム

2016.12.22

歯を失った部位をカバーし、噛む機能を復活させるブリッジ。保険が適用されることを理由に選択される方も多いですが、ブリッジが自費になるケースもあることをご存じでしたか?
今回は、ブリッジの保険と自費の間にはどのような違いがあるのかを詳しくまとめました。今後、ブリッジをなさるときの参考にして頂ければと思います。

1.奥歯のブリッジに白い素材が使えるかどうか

保険のブリッジは銀色
保険のルールを適用してブリッジ治療をすると、前歯から糸切り歯(犬歯)までには白い素材、それより奥の歯には銀の素材を使うことが多いです (例外もあります) 。
奥歯は、前歯に比べて人目にはつきにくい場所ですが、下顎の奥歯は、笑ったときや食事の際にお口を大きく開けると見えてしまいますよね。女性を中心に、奥歯であっても自費で白い素材のブリッジをおこなう方が増えています。
審美性を重視するのであれば、素材の選択肢が広い自費のブリッジがおすすめです。

2.前歯に使える白い素材の種類

同じ白でも素材は様々
前歯に使う白い素材も、保険と自費では異なります。

保険のブリッジには硬質レジンという素材が使用されており、色は調節可能ですが、長期間使用することで徐々に変色が起こりやすいです。また、表面に傷がつきやすく、その溝に汚れがたまり、着色もしやすいという欠点があります。
ブリッジを自費でおこなうと、メタルボンドやオールセラミック、ジルコニアといった素材を選択することができます。

2-1.メタルボンド

内部が金属で、その上からセラミックを貼り付けた被せ物をメタルボンドといいます。細かく色を調節でき、変色が起こりにくいです。強度があり、傷もつきにくく、内部の金属を貴金属にすることで、長期間の使用で起こりやすい歯茎の変色を回避することが可能です。

2-2.オールセラミック

素材の全てがセラミックであるオールセラミックは、メタルボンドよりも色調に優れており、光を透過するため、とても自然な仕上がりになります。金属を一切使用しないので、歯茎の退縮による金属の露出や、歯茎の変色の心配もありません。
金属アレルギーの方でも安心して使用できます。

2-3.ジルコニア

セラミックの一つであるジルコニアには、強度があり、突発的な衝撃をうけると欠けやすいというセラミックの欠点もありません。そのため、どんな部位のブリッジにも用いられます。
変色や金属アレルギーの心配もなく、金属よりも軽いので、両サイドの歯で支えるブリッジには適切な素材だといえます。

3.糸切り歯(犬歯)を失ったときのブリッジの方法

糸切り歯(犬歯)を失い、保険のルール内でブリッジを行う場合には、通常の前後1本ずつではなく、前の歯か後ろの歯、どちらかを2本土台にする必要があります。つまり合計3本を削らなくてはなりません。
その理由は、犬歯は他の歯に比べて力のかかる場所に存在するため、両隣のみで支えると負担が大きすぎてしまうからです。

健康な歯を3本も削りたくないという方の場合、自費診療を選択し、歯科医から2本の土台でもブリッジを支えられるとの判断が出れば、2本のみを削って犬歯をブリッジにすることも可能なケースがあります。

4.ブリッジの保険と自費、それぞれの費用相場は?

費用相場
ある程度の制限のある保険診療と、選択肢が多くなる自費診療では、費用相場に違いがあります。

4-1.保険適用のブリッジの相場

保険適用のブリッジの相場は、欠損歯1本あたり約2万円です。処置をおこなう部位によって金額に違いがあり、硬質レジンを使用しない奥歯の場合は1万円程度になります。
しかし、保険適用のルールはかなり細かく定められています。保険の範囲内でブリッジを行うためには、ルールにあわせて多少多めに削らなければいけないケースもあります。

4-1-1.診察やメンテナンス費用

事前の検査や診断、削る処置にかかる費用は、提示されている金額に含まれていることがほとんどです。しかし被せた後の定期的なチェック(メンテナンス)にかかる費用は別となり、1回あたり約1,000円~3,000円となります。

4-2.自費のブリッジの相場

自費のブリッジの相場は、診察や治療費などを除くと1本あたり約5万円~15万円ほどです。
使用する材料によって金額に差があり、ハイブリッドセラミックが約5万円~8万円、メタルボンドが約8万円~10万円、オールセラミックであれば約12万円~15万円となります。

それ以外に、事前の検査や診断料、治療費、メンテナンス費用も別途必要です。

保険のブリッジを自費のものに交換したい……そんなこと可能?

やっぱり自費のブリッジにしたい
ここまで見てきたように、保険と自費では、使用できる材料の質も作製できるブリッジの設計も大きく異なってきます。保険で作製できるブリッジでは、比較的変色や摩耗しやすい材料を使うため、時間が経過するとともに劣化していきます。また、審美性の面でも、自費より保険の方が劣っているといえますので、いろいろな面で自費のブリッジの方が優れているといえるでしょう。

ただ、上述した通り、費用の相場も大きく異なりますので、今すぐ自費のブリッジを作製できないという人も少なくはありません。そういった方は、まずは保険のブリッジを作製し、自費のブリッジを作製できる条件が揃った段階で交換するという選択肢もあります。そこで注意が必要なのが、保険から自費へとブリッジを作り替える際のデメリットです。

自費のブリッジを再作成する際のデメリット

ブリッジを再作成するということは、支台となる両隣の歯を再び削ることとなります。なぜなら、新調したブリッジの形に支台歯(ブリッジを支える歯)を再調整しなければならないからです。健康な歯質を更に削らなければいけないことに抵抗がある方には、あまりお勧めできません。
それから、治療期間中は仮のブリッジを装着することにもありますので、審美性や機能面が一定期間低下することもあり得ます。

ブリッジの寿命はどのくらい?壊さなきゃいけないケースとは

ブリッジを外す必要があるケース
ブリッジは健康な歯を削って装着するものですから、できれば一生使っていきたいものですよね。しかし、残念ながらブリッジは、一生同じものを使い続けられるとは限りません。ある程度の年数が経過すると作り直さなければならないケースもあるのです。
そこで気になるのが、ブリッジを壊して取り外す必要がある……つまり寿命を迎えるのはどんな理由かということ。ブリッジは、主に次に挙げる3つのケースで寿命を迎えます。

1.歯の根の先に膿(根尖病変)ができた

ブリッジの支台歯となっている歯根周囲に、膿が出てくるような病変が生じると、ブリッジを壊さなければならなくなります。根尖病変を放置しておくと、歯周組織に炎症が生じるだけでなく、歯がグラグラと動揺し、支台歯としての役割も果たせなくなります。そこでブリッジを外して、支台歯の治療を行う必要性が出てくるのです。

2.歯周病で支台歯がぐらつき始めた

支台歯が歯周病にかかると、支台歯を支えている歯根膜や歯槽骨という歯周組織が破壊されてしまいます。その結果、支台歯がぐらつき、ブリッジの支えとしての役割を果たせなくなりますので、ブリッジを外して治療を行う必要性が出てきます。

3.何度調整しても痛みが消えない

ブリッジは、支台歯との適合や相対する歯との噛み合わせなど、いろいろな要素が絡み合っている補綴装置ですので、設計や調整を誤ると様々な副作用が生じることがあります。それが違和感程度であればそれほど大きな問題にはならないのですが、痛みとなると話は別です。ブリッジを装着している状態で痛みが消えない場合は、そのブリッジが不適合を起こしていることを意味しますので、ブリッジの再作製を検討しなければいけません。もちろん、調製することで解消されれば、引き続き使用することは可能です。

ブリッジの寿命を伸ばし、長持ちさせるポイント

ブリッジを長く使いたい
ブリッジは使い方次第で、寿命を延ばすことができます。少しでも長くブリッジを使いたい方は、以下の3点に注目してください。

1.歯間ブラシ・ワンタフトブラシなどを用いて食べかすを除去

虫歯や歯周病というのは、ブリッジの寿命を確実に縮めます。支台歯が虫歯になることはもちろん、その周囲の歯茎が歯周病になることでも、ブリッジがダメになることがあるのです。ですから、普段から歯間ブラシやワンタフトブラシといった清掃器具を活用して、磨き残しを極力なくしましょう。これらの器具を使用すれば、歯と歯の間や一番奥の歯の食べかすなどを効率的に除去することが可能となります。歯科で正しい使用方法について指導を受けることも重要です。

2.歯ぎしりをしないように、必要であれば治療を受ける

歯ぎしりや食いしばりなどの習癖がある人は、できるだけ控えるようにしましょう。いわゆるブラキシズムと呼ばれる口腔習癖は、ブリッジにも過大な力がかかってしまうため、寿命を縮める一因となります。自分自身で歯ぎしりなどを改善できない場合は、歯科で専門の治療を受けることをお勧めします。

3.極端に硬いものをブリッジ部分で噛まない

ブリッジに使われている人工歯の素材は様々ですが、極端に硬いものを食べると欠けてしまうことがあります。また、硬いものは支台歯に過大な負担を与え、歯根膜や歯槽骨にも悪影響が及びますので、ブリッジの寿命を縮める一因となります。
料理によってはブリッジ部分を避けて食事をすることも必要でしょう。

まとめ

保険と自費、どちらにもメリットとデメリットが存在しますが、保険診療のブリッジの場合は自費と比較して制限が多いため、注意が必要です。
また、使い心地や見た目を重視したいという方は、是非自費診療によるブリッジ治療について相談してみてください。その仕上がりに、きっと満足できるはずです。


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