マイクロスコープを歯科治療で利用する4つのメリットと費用について

歯科お役立ちコラム

2016.11.14

あなたは、マイクロスコープを知っていますか?
歯科医院に導入されるようになり、よりレベルの高い治療をもたらしましたが、その知名度は未だに高くはありません。
今回は、歯科用マイクロスコープを使用するメリットや費用など、気になるポイントを詳しくまとめてみました。質の高い治療は、処置後のトラブル防止にも繋がるので、是非参考にして頂ければと思います。

歯科治療で使われるマイクロスコープとは?

マイクロスコープを使った施術
歯科用マイクロスコープとは、歯を拡大し、肉眼では見られないほど奥深くの内部や、細かなヒビなどを、鮮明に確認できる実体顕微鏡のことを指します。

歯科医師が頭に装着するタイプの拡大鏡(ルーペ)の倍率は、物によって約2.5倍~8倍程度ですが、マイクロスコープは一台で約2倍~30倍程度まで幅広く対応できます。

虫歯治療は勿論、特に精密さが求められる根管治療では、マイクロスコープを使うか否かで処置後のトラブル発生率が大幅に変化します。
インプラント治療や審美歯科などでも利用されています。

マイクロスコープが活躍するのはこんなとき!

歯科治療において、マイクロスコープが活躍する場面は、幅広く存在します。目視のみの治療と、マイクロスコープを用いての治療に、どのような違いがあるのでしょうか。

1. 精密根管治療におけるマイクロスコープ

根幹治療箇所イラスト
歯の神経を取り除く根管治療では、目視のみでの処置にはどうしても限界があるといえます。歯の内部はとても複雑な作りになっており、神経の通る穴が曲がっていたり、根管治療の再処置であれば内部にヒビが入っていたりというケースも珍しくありません。

神経の取り残しやヒビの放置は、根尖病変(根っこの先に膿がたまる病気)の発症原因となり、大変危険です。それを避けるためには、マイクロスコープを使用した精密な根管治療をおこなう必要があります。

2. インプラントにおけるマイクロスコープ

インプラントイメージイラスト
インプラント治療は、歯科治療の中でも特に慎重におこなわなければならない処置であり、失敗が許されない大変難しい処置であるといえます。
インプラント治療でのマイクロスコープの使用は、手術を精密におこなえるだけでなく、切開やインプラント治療の前におこなう骨造成手術でも、ダメージを最小限に抑える事ができます。
ダメージが少なければ、それだけ回復にかかる時間も短縮でき、処置後に腫れる可能性も低くなります。

3. 審美歯科におけるマイクロスコープ

審美歯科イメージイラスト
審美性の高いセラミックは、金や銀など他の素材に比べ、全てではないですがフィット性が劣る素材もあるという欠点が存在します。
しかし、歯型を取る前の形成時に、精密に削って形を作り上げる事で、凹凸のない綺麗なラインができ、天然歯と被せ物の境目から発生する虫歯のリスクが大幅に低下します。
被せ物を長持ちさせたい、再治療を避けたいという方は、マイクロスコープを使用しての治療をおすすめ致します。

4.メンテナンスにおけるマイクロスコープ

マイクロスコープは、歯のクリーニングでも利用されます。
歯の表面に付着した歯石の取り残しの有無や、歯周病の場合は歯茎の内部に歯石が潜り込んでいないかを確認します。また、噛んで痛みを感じる歯は、破折している可能性もあるので、表面にヒビが入っていないかを細かくチェックします。

マイクロスコープを使う場合の費用は?

疑問をもつ女性のイラスト
マイクロスコープを使用しての治療は、ほとんどの歯科医院が自費診療でおこなっています。
費用は大きく異なり、1歯につき数千円~数万円で、それに詰め物や被せ物等の費用が加算されます。

費用が高額な理由

マイクロスコープで細かく確認しながら治療を進めるには、その分時間を必要とします。目視では15分程度で終える治療であっても、30分~1時間程度はかかります。一人当たりの治療にかける時間が長くなることから、1回の治療費用を高く設定しなければなりません。
マイクロスコープの本体価格が、安い場合でも100万円程度はかかるということからも、治療を保険診療でおこなうのは難しいといえます。

置いている歯科が少ないのが難点

導入歯科はまだ少ない
質の高い治療がおこなえると理解していても、マイクロスコープ本体の価格がかなり高額であるため、導入している歯科医院は決して多くはありません。
普及率は、2009年の段階で2.9%程度であり、現在も5%未満とされています。
マイクロスコープを使用しての治療をご希望の方は、事前に歯科医院のホームページをチェックするか、直接相談して確認をとるようにしましょう。

まとめ

見えづらい口の中で、細かな作業を必要とする歯科治療。目視のみで質の高い仕上がりにするのは、難しいといえます。
歯そのものの寿命の低下や、処置後のトラブルを避けるためにも、1回1回の治療の質を大切にしましょう。
歯科医院によっては、マイクロスコープを使って、治療の状況を動画や画像で撮影するところもありますので、興味があれば一度見せてもらうことをおすすめ致します。きっとその精密さに驚くはずです。


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