スマイルデンチャーは金属が無くて目立たない入れ歯。欠点はないの?

2016-07-26

金属が無く、歯茎と同色で目立たない入れ歯ということで、近年大変注目を集めているスマイルデンチャー。見た目は勿論のこと、他の歯への負荷なども普通の入れ歯より軽減されているとのことですが、メリットがあれば当然デメリットも存在するはずで、作る前にそれを知っておきたいという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、スマイルデンチャーのメリットやデメリットにはどのようなものがあるのかを詳しくまとめてみました。是非参考にして頂ければと思います。

スマイルデンチャーとは?

詰め物も入れ歯も目立たないのがトレンド

スマイルデンチャーとは、一般的な部分入れ歯では必須である金属のはりがねを、歯や歯茎と同色のフックにして目立たないように作られた入れ歯の事を指します。

金属の色は普通の口腔内には存在しない色なので、詰め物や被せ物などに使用する際も目立ちやすく、特に女性からはほとんど不評でした。それを補う為に生まれた樹脂性の詰め物やセラミックのように、詰め物だけでなく入れ歯でも審美性に優れたものをと開発されたのがスマイルデンチャーというわけです。

スマイルデンチャーの主なメリットとは

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1.1 金属が無いから目立たない

歯茎と同色の特殊なナイロンで作られたフックは、スマイルデンチャー最大の特徴とも言えます。他の部分入れ歯とは異なり、金属のはりがねが存在しないので、口を大きくあけて笑っても目立ちません。入れ歯を使用していることを相手に知られたくないという方にとっては、最大のメリットとなるでしょう。

1.2 口に入れたときの違和感が少ない

スマイルデンチャーは、保険で作るプラスチックの入れ歯と比べて、特殊なナイロンで薄く作製することができます。見た目にも透明感があって自然なだけでなく、その薄さのおかげで口の中に入れても違和感が少ないので、快適に使用することができます。

1.3 金属アレルギーの心配が無い

スマイルデンチャーには金属が無いので、当然金属アレルギーの方でも使用できます。金属アレルギーは元々もっていないから自分には関係ないと考えている方もいるかもしれませんが、金属に触れているうちにアレルギーを発祥するケースも少なくありません。そうなってしまうと金属が触れる口腔内だけではなく、全身にアレルギー症状が出てしまうケースもありますので、この心配がないということは全ての人にとってメリットと言えるでしょう。

1.4 フックのかかる歯が削られにくい

一般的な入れ歯であってもスマイルデンチャーであっても、入れ歯を支える為にはその隣の歯に多少なりとも負担をかけてしまいます。その際フックが金属製のはりがねだと、隣の歯の表面を削ってしまい、そこがしみやすくなってしまうこともあります。
しかしスマイルデンチャーで使用されている素材は歯を削らないため、しみやすくなったり、支えになる歯の被せ物を外してしまったりする心配もほとんどありません。

1.5 インプラントの処置中の使用に便利

はりがねをかける歯への負担が少ないスマイルデンチャーは、インプラントの処置中に代用として使用する方が多いです。取り外し管理が簡単に行えることで、衛生的に歯の無い部分を補え、人の目を気にせずにインプラント治療期間を過ごす事ができます。スマイルデンチャーの利点を活用した使い道は、とても多く存在するのですね。

スマイルデンチャーができるまでの期間はどのくらい?作製手順をご紹介!

とても魅力的なスマイルデンチャーですが、どのぐらいの期間で出来上がるのかが気になるところ。作製にかかる期間を知ることで、余裕を持って受診することができます。

2.1 スマイルデンチャーが作れるかどうかチェック

はじめに、現在残っている歯や歯茎の状態を調べる検査をおこないます。歯の根っこに問題があったり、ぐらつく歯があったりすれば、スマイルデンチャーが合わなくなる恐れがあります。治療が必要な場合は先に処置をし、問題がなければスマイルデンチャーを作製するための型取りを行います。

2.2 人工歯の形と色を決定

スマイルデンチャーに使用する人工歯を、現在残っている歯の形や色に合わせて選択します。

2.3 完成するころに来院してチェック

作製したスマイルデンチャーを口腔内に直接はめて最終確認をおこないます。痛みを感じる場合や、噛み合わせに不具合がある場合は修正をおこない、不快感のない状態にして完成となります。
作製したばかりのスマイルデンチャーは、少々締めつけ感がある場合がほとんどですが、徐々にお口の中で馴染んできますので心配はありません。

2.4 しばらく日常で使用し、問題があれば調整

締めつけ感がいつまでもなくならない場合や、歯茎に傷ができてしまうようなときは調整が必要となります。傷を放置すると口内炎になる恐れもありますので、できるだけ早めに対処するようにしましょう。

作る前に知っておきたい!スマイルデンチャーのデメリット

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ここまで述べたことがスマイルデンチャーの大きなメリットであることには違いありませんが、全てにおいて普通の入れ歯よりも勝っているというわけではありません。機能性や費用なども違います。スマイルデンチャーのデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?

3.1 精密だからこそ作製に技術と手間と時間がかかる

スマイルデンチャーに使用されている材料は特殊な物であり、通常のプラスチックよりも柔軟性と弾力性があるのが特徴的です。精密に作製する必要があるため、型を取るのも噛み合わせをチェックするのも、医師や技工士の確かな技術が必要です。また、後から歯を付け足したり、修理をしたりすることが困難であるため、更なる慎重さが求められます。

3.2 保険が適用できないため高額である

一般的な入れ歯は、保険適用の物から全額自己負担の物までありますが、スマイルデンチャーの場合、保険を使っての作成が一切出来ません。その為、今まで保険適用の入れ歯を使用していた方にとっては高額と感じる事がほとんどのようです。スマイルデンチャーの費用は、入れ歯の大きさや歯科医院によっても違いますが約10万円~20万円程度といわています。

3.3 噛む力は弱い

これはスマイルデンチャーに限った話ではありませんが、やはり部分入れ歯ということで、インプラントと比較すると噛む力は弱いです。

スマイルデンチャーを長く使うために大切な、取り扱い上の注意点

スマイルデンチャーは、一般的な入れ歯の取り扱い方法とは少々違う部分があります。
長く使うためにも正しい取り扱い方を把握しておきましょう。

4.1 通常の入れ歯洗浄剤は使えない

スマイルデンチャーの材料は、一般的な入れ歯とは異なります。そのため、お手入れに使用する入れ歯洗浄剤もスマイルデンチャー専用の物を使用する必要があります。
変形や変色の原因となりますので、洗浄剤の選択には注意しましょう。

4.2 磨くときは柔らかいブラシで

柔軟性をもつスマイルデンチャーは、通常の入れ歯よりも柔らかい材料を使用してできています。一般的な入れ歯用ブラシを使用すると表面に傷をつける恐れがあり、傷がついてしまうと汚れが溝に入り込み不衛生な状態となります。
通常の入れ歯のお手入れよりも、柔らかいブラシで磨くようにしましょう。

4.3 残っている歯を大切にしよう

一般的な入れ歯は、作製後であっても修復したり人工歯を増やしたりといったことができます。しかしスマイルデンチャーは特殊な材料を使用して作られているため、すぐに修理をおこなうことができません。
一度作製したスマイルデンチャーを長く使い続けるためにも、新たな虫歯の発生や歯周病には十分注意しましょう。

自分に合った入れ歯探しを

歯科医に相談しているイラスト

いかがでしたか。スマイルデンチャーがこれほどまでに支持されている理由と、実際に作ってもらう前に注意するべきポイントがお分かりいただけたかと思います。メリットがあれば必ずデメリットが存在する、それは全ての出来事やモノに当てはまることです。スマイルデンチャーでも他の入れ歯でも、是非歯科医師に疑問点を相談しながら、自分に合った入れ歯探しをして頂ければと思います。


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