早期治療
クリニックブログ
2012.07.06
早期治療とは、混合歯列期(乳歯と永久歯がある時期)や乳歯列期後期に始める治療法で
その目的は永久歯がはえそろう前に顎骨や歯槽骨(歯が生えている周りの骨)、筋肉の
不調和を改善し、お口の中の環境を整えることです。
早期に改善することにより結果的に歯を抜かないで治療できる可能性が高くなります。
写真の症例は反対咬合を改善してあります。
反対咬合の治療の開始時期に関してはいろいろ意見が分かれるところですが、
自然治癒率が低いため積極的に改善する場合が多いです。
反対咬合の筋機能上の問題点は、次の3点と考えられています。
「タイトな上口唇」、「ルーズなオトガイの緊張」そして、「低位舌」です。
「タイトな上口唇よる圧力」は、上顎の水平方向への成長を抑制する様に、
後方に引き戻す力として機能していると考えられます。
それに反し、「ルーズなオトガイの負の圧力」は、下顎骨の前方への成長を
許容していると考えられます。
そして、「低位で機能する舌」は、嚥下の都度、下顎骨を前方に押し出す
圧力として機能すると考えられています。
筋機能のアンバランスを整える事を念頭に置き、低年齢時期に出来るだけ
負担の少ない方法で、関わりを持つ ことが必要と考えられます。
すなわち、「早期初期治療」の役割は、「逆被蓋という成長を阻害する因子」
を除去し、 「正しい成長発育ラインに乗せる事」にあると考えています。
今回も患者さんの協力のもときれいに改善できました!