歯の神経について

スタッフブログ

2018.06.29

こんにちは。スタッフの和田です。

今回は歯の神経についてお話します。

神経を抜くという処置を経験したことがある方はいますか?あまり好ましくない処置ではありますが、症状によっては神経を抜く処置が適切であるケースがあります。しかし、歯医者さんの立場で考えれば歯を抜いてしまった方が早いのでは?と疑問を感じる人もいるのではないでしょうか。

ではなぜ神経を抜く処置を行うのでしょうか。

【強い自発痛がある。ズキズキ痛い。冷たいものや熱いものがしみる。】

自発痛とは何もしなくても痛みが出ることを言います。自発痛が起きる原因は非常に多く、さまざまな疾患で自発痛が引き起こされます。

その大きな原因は虫歯です。虫歯が進行すると歯髄へ炎症を起こし、神経を抜かなければいけなくなります。

また強い知覚過敏により日常生活が困難になっている場合は、神経をとったほうがいいケースもあります。

しかし、実際に歯の神経を抜いたところで痛みは完全になくなるのでしょうか。

答えは痛みが大幅になくなるです。

神経というのは歯から脳まで繋がっています。歯で刺激を感じると脳へ伝え脳がその刺激を痛みとして認識します。

神経を抜くとき、脳へ繋がっている神経まで抜くことはできず「神経を抜く」と言ってはいるものの「歯の中で神経を切り取る」というのが正しいのです。

神経を抜くよりも歯を抜いてしまう方が簡単で手っ取り早いと思う方も多くいらっしゃるかもしれません。

しかし神経を抜くことでそれよりも患者さんへメリットがあるから神経を抜く処置を選択します。では、そのメリットとは何なのでしょうか。

1. 自分の歯なのでしっかりと噛むことができる

歯を抜いてしまえばそこへ歯の代わりとなる何かを入れなければいけません。

さまざまな治療法があるものの、どの治療法を採用しても結局は歯の代わりにしかなりません。天然歯(患者さん自身の歯)が一番良く噛むことができるということが歯を抜かないメリットの一つです。神経を抜くことで歯を保存でき結果として天然歯を守ることにつながります。

2. 顎の骨が吸収されない

歯を抜いてしまうと歯が生えていた部分の骨が骨としての役割を終えたと勘違いをして溶け出して体内に吸収されてしまいます。
一度骨が吸収されてしまうと元に戻すには外科処置を行う意外に治療法はありません。顎の骨を吸収させないためにも自分の歯を残しておくことは大切です。

3. 周囲の歯が移動しない

歯は両隣の歯と支えあって並んでいますが、抜歯してしばらく放置していると徐々に傾いてしまいます。噛み合っている反対側の歯は噛み合う歯がないので伸びてくる可能性もあり、抜歯して何も歯の代わりになる物を入れておかないとトラブルのリスクが出てきてしまうのです。

いざ数年後にインプラントやブリッジで治療をしようとなった際に、抜歯してそのままになっていて歯が傾いたりしていると、インプラント等の治療が困難になる可能性も十分出てきます。

 

神経を抜くという治療は、好ましく感じる方は少ないかもしれませんが、様々な事を考慮したうえで神経を抜いて、歯を残せるのであれば

しっかり根の治療をして、治療が終わったらご自身の歯をより長持ちできるように、日々の歯磨きなどをしっかりと行うように心がけましょう(^o^)