格安インプラントは本当にお得?値段だけで選ばないほうがいい8つの理由

歯科お役立ちコラム

2016.12.20

自費治療であるインプラント治療の相場は、約30万円~50万円といわれています。
しかし、中には10万円以下で受けられる歯科医院も増えており、いったい何がどう違うのだろうと疑問に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、歯科医院によってインプラント費用に差がある理由や、歯科医院選びの注意点についてまとめました。

格安インプラントはなぜ安い?考えられる理由は……

安さの理由は
安価でインプラントを提供している場合、その安さには何らかの理由がある場合がほとんどです。これらの理由がないかどうか確認し、納得してから歯科医院を決めても遅くないはずです。

1.掲示されている値段は、インプラント体だけの値段かもしれない

トータルの値段を把握しよう
インプラント治療の相場である約30万円~50万円という金額には、インプラント体だけでなく、あらゆる費用が含まれている場合がほとんどです。
具体的には、インプラントの手術費、レントゲン撮影や模型作成などの事前の検査費、インプラント体に接着する人工歯などの材料費、人工歯を接着するまでに装着する仮歯代などです。

そのため、格安な費用が提示されている場合、顎骨に埋め込むインプラント体のみの価格であったり、手術費のみであったりという可能性も考えられます。
中には、最初に提示された金額は10万円以下でも、後から必要な費用を加えていった結果、相場よりも高くなってしまったというケースもあります。

事前のカウンセリングの際には、金額の内訳について確認を取るようにしましょう。

2.安いインプラント体を使っているかもしれない

100種類以上
インプラント体は世界中に100種類以上存在しているといわれており、中には使用された実績が少ないからという理由で価格が低く設定されているものもあります。実績が少ないものは質が低いというわけでは決してありませんが、実績が多いものにはそれだけ信頼が蓄積されているとも言えます。
費用が安い場合は、使用するインプラント体がどのようなものであるか、確認してみることをおすすめします。

3.安い被せ物(上部構造)を使っているかもしれない

インプラントのメリットとして、使い心地だけでなく、見た目も天然歯のように自然で、審美性に優れているという点があげられます。
しかし極端に安いインプラントでは、噛めることだけを重視し、審美面では天然歯との違いが目立ってしまうこともあります。

自然な見た目を表現するには、上質な素材、高い技術力も求められるため、10万円以下では済まない場合が多いです。
上部構造がどんな見た目になるのかも、事前に確認しておきましょう。

4.診察が短くカウンセリングが不十分かもしれない

もっと話しを聞いてほしい
一般的な虫歯や歯周病治療などとは違い、外科処置であるインプラント治療では、事前の精密な検査や正確な診断が必要です。そして、診断結果をお伝えし、患者様の同意を得て、安心してインプラント治療を受けていただくためには、丁寧なカウンセリングが欠かせません。

インプラントの費用が極端に安いということは、そのぶん患者様一人に費やす時間も短めになってしまう可能性が考えられます。
もしも、カウンセリングで急かされているような感じがしたり、説明が曖昧だったりしたときは、いったん考え直すことも大切です。

5.外科手術を受けるための個室がないかもしれない

インプラント治療は外科手術を伴うので、一般的な虫歯の治療よりも、厳重な感染対策を施した環境で処置を行わなければなりません。
インプラント手術自体には、個室で受けなければいけないという決まりはありません。しかし、専用の個室があったほうが感染対策も実施しやすく、何よりインプラント治療における患者様の緊張や不安を軽減することができます。

提示された値段が安すぎると感じたときは、手術の際の個室の有無も確認するとよいでしょう。

6.CT撮影ではなくレントゲン撮影のみかもしれない

CTスキャン装置
昔は、インプラント前の検査にパノラマレントゲン写真のみを使用して、歯や顎骨などの状況を把握していました。そのインプラントを今でも問題なく使えているという方も、もちろんいらっしゃいます。
しかし現在は、CT撮影を行い、骨の厚みや奥行き、神経や血管の位置まで精密に把握した上で手術を行う歯科医院が増えています。
レントゲンよりも状態が詳細に把握できるだけでなく、撮影したデータを利用してシミュレーションもできるため、スムーズな処置が可能になり、体の負担軽減にもつながるのです。

とはいえ、全ての歯科医院でCT撮影が受けられるというわけではありません。
インプラントの価格が安いなぁと思ったら、CT撮影による検査を受けられるのか、尋ねてみるとよいでしょう。

7.保証期間が短く不十分かもしれない

インプラントの寿命は、平均で15年ほどといわれています。しかし口腔環境などさまざまな条件によって左右されるため、それ以上使用できることもあれば、それより短い期間でトラブルが起こることもありえます。
万が一のことがあったとき、どのくらいの期間、どの程度の割合まで保証してくれるのかを、事前に確認しておきましょう。

8.術後のメンテンナンスの診療が高額かもしれない

インプラント治療では、インプラントを埋入した後も定期的に通院しなければいけません。これを術後のメンテナンスといいます。通常、メンテナンスではそれほど高額な費用はかからないのですが、歯科医院によっては高い費用を設定しているケースもあります。

特に、インプラント代が相場よりも安い場合が要注意です。インプラント代を低めに設定し、メンテナンスを高額にすることでバランスをとっているケースもあるからです。
ですから、インプラント代が相場よりも安いと思ったら、術後の費用やメンテナンスの頻度などを確認しておくことをオススメします。

ハイレベルなインプラント治療はココが違う!

インプラント治療のレベルは、歯科医院によってさまざまです。施術する歯科医師の技術はもちろんのこと、使用する薬剤や器材の種類、設備の充実度などによって大きく変わってきます。とりわけ、次に挙げるような治療法や設備などには大きなメリットがあります。

1.静脈内鎮静法で不安感を最小限に

静脈内鎮静法とは、点滴から麻酔薬を投与する鎮静法で、半分眠ったような意識の状態でインプラント手術を受けることができます。歯科治療への恐怖心が強い人や嘔吐反射などが激しい人に用いられることが多い治療法です。

局所麻酔は歯茎など特定の部分を麻痺させる処置法ですが、静脈内鎮静法は全身に作用します。ですから静脈内鎮静法で手術を受けた患者さんの中には「意識がはっきりしたらインプラント治療が終わっていた」という感想を持つ人が多く、インプラント手術に対する恐怖や不安が強いケースでは非常に有用な鎮静法といえるでしょう。

ちなみに、静脈内鎮静法と全身麻酔は別物です。静脈内鎮静法では、意識を失うことはありませんし、呼吸がとまることもありません。一方、全身麻酔では文字通り全身の機能が麻痺しますので、意識を失い、人工呼吸器を装着することとなります。

2.セラビームアフィニーでより結合しやすくする


セラビームアフィニーとは、作られてから時間が経ったインプラントを新品に近い状態に戻す処置です。特殊な紫外線をインプラントに照射することで、インプラントの表面が骨との接着に適した状態に変化します。

骨との結合率がアップ

インプラントで最も重要なポイントのひとつが、顎の骨との結合です。インプラントを構成しているチタンという金属が、顎の骨と結合することでインプラントは安定し、しっかりと噛むことができるようになります。
けれども、インプラントは製造から時間が経つと表面の性状が劣化していくため、骨との結合がうまくいかない場合もあり得るのです。
そこで有用なのがセラビームアフィニーです。インプラントの表面性状を新品同様に戻すことで、顎の骨との結合をより強固とすることができます。

セラビームアフィニーを導入している歯科医院は限られている

インプラントを長期的かつ安定に使い続ける上でセラビームアフィニーは非常に有用ですが、どの歯科医院でも受けられる処置というわけではありません。まだまだ新しい技術ですので、セラビームアフィニーを導入している歯科医院は全国でも限られています。

3.ノーベルガイドでより安全な治療に

ノーベルガイドとは、インプラント治療に先立って、コンピューター上で手術のシミュレーションを行うシステムです。事前に撮影したCT画像を元に、専用のソフトを使って最適な手術法を導き出します。

ノーベルガイドのメリット

ノーベルガイドを使うことで、安全かつ正確なインプラント治療を受けることができます。インプラントを埋める位置や深さなどは、ノーベルガイドで事前にわかっていますので、オペ当日は、そのデータに従って埋入するのみです。その結果、歯茎や顎の骨へのダメージを最小限に抑えることにもつながります。また、手術時間も短くなりますので、患者さんの負担も軽減されることでしょう。

4.生体情報モニターで状態把握が正確に

整体情報モニター
生体情報モニターとは、血圧、脈拍、動脈血酸素飽和度、心電図といった全身状態を数値で把握することのできる装置です。インプラント手術で静脈内鎮静法を併用する場合には、必要不可欠なものといえます。

生体情報モニターのメリット

インプラント手術で生体情報モニターを使用すると、常に患者さんの全身状態を把握することができますので、血圧が急激に下がったり、心電図に乱れが生じるようなことがあったりすれば、迅速に対応することができます。

5.無影灯を使用して視界を良好に

無影灯は、手術室に設置されている照明器具の一種で、その名のとおり影ができにくい設計となっています。インプラント治療では、影で死角となるような部位が生じては困りますので、無影灯は必須の設備といえます。無影灯が設置されている手術室であれば、より繊細な手技が可能となります。

まとめ

歯科医院によって治療費に差があるインプラント治療ですが、安いからといって即決してしまっては、大切なことを見落としてしまうこともあります。
後のトラブルにつながらないよう、今回ご紹介した8つのポイントを確認し、信頼できる歯科医院で納得のいく治療を受けるようにしましょう。


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