自分の歯を残したい人が根管治療の器具にニッケルチタンファイルを選ぶべき3つの理由

歯科お役立ちコラム

2016.08.30

歯の神経を取る根管治療。
指で摘める程度の小さな道具(ファイル)を使って処置を行いますが、そのファイルにも様々な種類があるのを知っていますか?

今回は、海外で人気の高いニッケルチタンファイルについて、使う事で得られるメリット、そして神経の取り残しが原因で起こるトラブルや注意点など詳しくまとめてみました。是非参考にして頂ければと思います。

ニッケルチタンファイルとは?

ニッケルチタンファイルとは、多くの歯科医院で使用されているステンレスファイルよりも柔軟性があり、複雑な根管内を隅々まで行き届くように開発されたファイルです。

海外では広く普及しており、日本の歯科医院でも使用している所はありますが、まだ多くはありません。
ステンレスファイルとは違って自費診療となっています。

ニッケルチタンファイルを使用することで得られる3つのメリット

ニッケルチタンファイルの3つのメリット
ニッケルチタンファイルの開発により、根管治療では“ファイルの柔軟性”がいかに大変重要なものであるかが証明されています。ステンレスファイルと比べ、どのようなメリットが存在するのでしょうか?

2.1 根管治療の成功率が高くなる

神経の通る根管内の形には個人差があり、必ずしも直線であるとは限りません。寧ろ、曲がっていることの方が多く、ステンレスファイルではしっかりと根っこの先まで処置を行えない可能性があります。
柔軟性のあるニッケルチタンファイルを使用することにより、複雑に曲がった形であっても隅々まで治療を行うことができます。

2.2 治療時間の短縮が期待できる

保険適用のステンレスファイルで行う根管治療は、非常に小さな部分を手で処置することから、歯科医師の技術や経験によっても1回の治療時間に大きな差がうまれます。
ニッケルチタンファイルでは、基本的に電動の機械を使用することが出来るため、指先で摘むステンレスファイルよりも処置のスピードが速くなります。

2.3 歯を失うリスクが低くなる

根管治療の失敗は、根管内に細菌で感染した部分を取り残してしまうことによって起こります。
根管治療後の痛みの再発や、根尖病変とよばれる根っこの先に膿がたまる病気は、主に根管治療の失敗が原因といわれています。根尖病変には痛みを伴わないケースがあり、その場合、早期発見ができなければ歯を失うリスクがとても高くなります。

突然の激痛!?神経の取り残しが招く恐ろしい疾患とは

もし歯の神経を取り残してしまったら
根管治療の失敗が原因で起こりやすいといわれる根尖病変。
その症状には個人差があり、突然の激痛に襲われる方もいれば、小さな違和感のみで、気が付いたら抜歯しなければならない状況になっていたという方もいらっしゃいます。

どちらにせよ、恐ろしい疾患であることには違いありません。根尖病変の恐ろしさを詳しくみてみましょう。

3.1 立っていられない程の激痛が起こる可能性がある

根先に膿がたまる事で徐々に圧がかかり、周りの組織や神経が圧迫されて痛みが発生します。この痛みは、最悪の場合、立っていられない程の激痛となり、鎮痛剤が効かないとも言われています。
気圧の変化にも左右されるため、飛行機の利用にも注意が必要です。旅行や出張の予定のある方は、事前に歯科医院でのチェックをオススメ致します。

3.2 痛みを感じないケースは、他の歯も同時に失う危険性がある

痛みを感じないケースで最も多いのは、根っこ付近の歯茎にプクッと丸い腫れ物が出来る事です。
この腫れ物は、根っこの先にたまった膿の出口となっており、出口が存在する事で中に圧がかからない仕組みになっています。
しかし、膿は徐々に大きさを増すため、早期発見ができなければ、抜歯をしなければならなくなります。
膿の範囲によっては、原因である歯だけでなく、周りの歯までも抜歯の対象となります。

3.3 自然治癒は考えられない

一度発生した根尖病変は、膿がそれ以上増加しないことはあっても、けして自然治癒することはありません。
普段は何も感じないのに、体の免疫力が低下したタイミングで痛みや違和感を覚えるという方は大変多く、進行が見られなくても突然悪化するケースもあります。
膿が出来る部分は、元々顎骨があった場所であり、膿が大きければその分顎骨を失うということになります。

2回目の根管治療は高い技術と上質な器具が不可欠

マイクロスコープを使った施術
恐ろしい根尖病変ですが、初期段階であれば再び根管治療を行い、治る可能性は十分に考えられます。
しかし、1回目に比べ、神経を失って歯が弱くなった段階での2回目の根管治療は、歯が割れるリスクがあり、高い技術がなければ処置を行っても再発する危険性があります。初めての根管治療は勿論のこと、2回目の根管治療であっても、ステンレスファイルではなく、ニッケルチタンファイルでの処置をオススメ致します。

根管治療を受けるなら、ニッケルチタンファイルを扱う歯科医院で!

根管治療の失敗により歯を失う方は決して少なくありません。上質な器具を使用して治療を行うことで、トラブル発生の可能性を抑えることが出来ます。歯科選びの際は、ニッケルチタンファイルを取り扱っているかどうかを確認の上で、処置を受けるようにしましょう。


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