放置しておくと危険?こどもの受け口を早期解決するべき4つの理由とかかる費用や期間

歯科お役立ちコラム

2016.08.04

上の歯列より下の歯列が前に出ている状態を受け口といいますが、実は、通常の噛み方に比べてデメリットが存在するという事を知っていますか?
今回は、受け口を早期解決すべき理由と矯正治療にかかる費用、期間についても詳しくまとめてみました。お子様の受け口にお悩みの方は、是非参考にしてみてください。

受け口を放置するとどうなるの?矯正するべき深刻な理由とは?

お子様の受け口対策

受け口は専門用語で、反対咬合(はんたいこうごう)といいます。
反対咬合になる原因として考えられるのは、遺伝や、顎の成長期や生え変わりの時期における癖です。上下の顎のバランスが合わないケースは遺伝的要因が強く、歯の生え方のみが原因の受け口には生え変わり時期の癖が関係してきます。
反対咬合を放置してはいけない理由とは一体何なのでしょうか?

1.1 咀嚼が不十分になりがち

反対咬合の場合、前歯同士の接触が良くないことから、“噛み切る”という動作を上手く行えない人もいます。咀嚼が不十分だと消化不良を起こしやすくなり、体の発育に大きく影響してきます。
また、咀嚼は脳の働きとも深く関係していることから、できるだけ早い段階での対処をおすすめします。

1.2 言葉の発音が悪くなる

発音の良し悪しは、唇、舌、前歯の状態で左右されると言われています。
反対咬合では前歯の噛み合わせが通常と逆であることから、言葉の発音が悪くなりがちです。噛み合わせに隙間が出来てしまう事が原因で、歯と舌先が触れる“さ行”や“た行”の発音が難しくなってしまいます。

1.3 顎関節に負担がかかり、顎関節症を引き起こしやすい

正常な噛み合わせの場合、下の顎は前後左右に自由に動かすことができます。しかし、反対咬合では、顎全体が固定されてしまうので動かすことができず、会話や食事のときに顎関節に負担がかかります。長く放置すると顎関節症になる場合もあるため、早めの対処が必要とされています。

1.4 全身のバランスが悪くなる

下の顎は、首・肩・腰など、体の軸となる骨と深い関係性があるといわれており、全身のバランス維持に欠かせないものです。反対咬合の場合、下の顎が固定されていることで他の関節や骨に負担がかかり、関節痛や肩こり、腰痛など様々なトラブルが起こりやすくなります。

反対咬合を治したい!適切な処置方法と、かかる費用や期間は?

歯科衛生士イラスト

反対咬合を治すための処置は、反対咬合になった原因やタイミングによって変わってきます。歯科矯正のみで治る方もいれば、顎の手術が必要な方までさまざまです。様々なケースごとの処置について、費用や期間と共にご紹介いたします。

2.1 生え変わる前ならマウスピース矯正

乳歯から永久歯へ生え変わる時期よりも前の段階で使用する、マウスピースタイプの矯正装置があります。成長期の癖を改善する事で歯の正しい位置関係を作り、反対咬合を治します。夜寝る時の使用で、治療期間は半年~2年程度、費用は約10万円~35万円といわれています。同時に口周りや舌のトレーニングを行う事で、反対咬合へ戻りにくくなります。

2.2 生え変わり時期の反対咬合には上顎拡大装置

生え変わりの時期に発生する反対咬合の原因の多くは、上の顎の成長不足です。反対咬合を治すには、顎を広げる矯正装置(上顎拡大装置)を上の顎に使う必要があり、これは10代前半までが対象である矯正方法です。理由は、10歳前半であれば上の顎の真ん中に存在する正中口蓋縫合がまだ完全に繋がっておらず、顎を広げることが可能であるからといわれています。治療期間は2年程度で費用は約15万円~40万円です。

2.3 永久歯が生え揃えばブラケット矯正が可能に

すべての永久歯が生え揃った時点でも反対咬合である場合、ブラケット矯正が有効です。前歯のみの軽い叢生であればマウスピース矯正でも治すことが可能です。ただし、裏側矯正は装置の脱離が起こりやすくなるという理由で、オススメされません。

2.4 身長の伸びが終わったら外科矯正が可能に

成長期が終了すると可能になるのが外科矯正です。顎全体が前へ出ていることで起こる反対咬合の場合、歯科矯正によって歯だけを動かしても、顎の骨の位置は変わらないため、余計に顎が出ているように見えてしまうこともあります。そんな方は顎自体を手術で移動させて、顎のバランスを整えることで噛み合わせを改善するのです。まだ体が成長中であるのに外科矯正をおこなっても、その後の成長で戻ってしまうこともありますので、外科矯正は成長期が終わったあとで行います。期間は事前や事後の治療も含めると3~4年程度、費用は60~80万円程度です。

癖の改善にはご家族の協力が必要不可欠!

歯科医から親子への説明イラスト

受け口を放置する危険性と、成長段階ごとの矯正についてマウスピース矯正を行う4歳から7歳であれば特に、自分で装置を適切に使いこなすには難しい年齢です。よって、ご家族の協力が必要不可欠となります。口周りや下のトレーニングも含め、楽しく矯正期間を過ごせるように工夫してあげることで、それが日常となり、気付けば癖や反対咬合の症状も改善されているというケースも少なくありません。口元だけでなく、体全体の健康にも影響する反対咬合。是非早めの対処を行って頂ければと思います。


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